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「エレファント」 [映画]

img880e2a48zikdzj.jpeg別に突出して奇矯な人物が出てくる訳でもなく。
ただ、誰も彼もがヒリヒリするような痛い空気をまとっていて、しかもそれがすっかり日常と化して麻痺しているみたいだった。
この空気には覚えがある。
こういう夢をみていたことがあるよなあ、と、
えらくリアルに感じた。

なにもかもが嫌で恐ろしくて気に入らなくて、
すべてをぶち壊したくて仕方がなかった。
毎日、いろんなやり方で、誰彼構わず殺した。
自殺もした。お気に入りの殺し相手さえ居た。
もちろん頭の中での話だけど。
そのように、日々、どす黒い気持ちで過ごしているというのに、空は青く澄んで高く、雲が眩しく輝いて美しい。
まったく、やりきれない。

学校教育とか、家庭環境とか、世間の風潮とか、社会の病理とか、いくらでももっともらしく嘆くことはできるけれど。
後付けで理由は探せるかもしれないけれど。
たぶん、違う。
特に理由はなくって、そしてそのことこそが最大の理由なんだと思う。
そういう危うい瞬間が、ある。

世界は壊れやすく、その気になったらあっという間にぶち壊せて、もとには戻せない。
そういうお話じゃないかと思った。

剣呑。





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