SSブログ

「一瞬の夢」 [映画]



そういや昨年12月にジャンクー特集上映に通い、三日間でジャンクー作品5本「長江哀歌」「四川のうた」「プラットホーム」「一瞬の夢」「世界」鑑賞、ていう荒行?(笑)してみた件について。
それぞれの映画の感想を書こうと思って書きかけなのだった。
あまり長々と寝かせておくのもナンだし、この際書きかけのままでupしてしまいます。

しかし、ジャンクーの映画は射程が長いというか、後からじわじわキいてくるようなとこがあるなー。
今になってYouTubeで動画観て、あーそうかあのとき感じたのはそういうことかー、て印象が熟成されてる感をおぼえたりする。
好き嫌いで言うとけして好きではないんだけど、強い重力がある。どうにも観させられるっていうか。


というわけで、「一瞬の夢」

新興の地方都市を舞台に、ダメダメなスリ青年が己の人生に行き詰まりつつ、カラオケで働く女性に恋して生きる喜びを見出し、とはいえダメダメはダメダメであって行き詰まってることにはなんら変わりなく、幸福になろうとする希望とダメダメな諦めとの葛藤、みたいなんが描かれる。

特にひねったところもない、よくあるお話ではあるんだけど、なんかこう、皮膚に擦り付けられるような感覚で迫ってきて、ときどき痛い。
体調を崩して寝込んでいる女性を見舞うところ、女性が青年の肩にそっともたれ、寄り添うふたりの姿なんかは、むきゃーーって感じで嬉し恥ずかしこそばゆい。夢みたいに幸せ過ぎてせつないほどの。
そやって恋に浮かれておると、容赦なく生活っ、とか、将来っ、とか、現実っ、がごんごん迫りまくってくる。


しかしこの映画、「プラットホーム」から続けて観たせいで、なんだか不思議な感慨をおぼえました。
役者が重なってるんで、スピンオフってんじゃないけど、映画の世界が地続きに連なって、パラレルワールドに入り込んだような。
でもって、「プラットホーム」は時間の感覚にキくっていうか、ものすごく月日が経った感がクるんで、時を隔てて古ーい昔のお話を見聞きするような感じがしましたです。





コメント(2)  トラックバック(0) 

コメント 2

コメントの受付は締め切りました
ヒノキオ

『プラットホーム』いずれ見直そうと想っているのですが
その時にこれも続けてみた方が良さそうですね

ジャンク―作品全部揃えるような店が
近所に出来ればいいのですが
日に日に韓流と未公開ホラーに占拠されていきます(T_T)
by ヒノキオ (2010-02-26 04:45) 

シロタ


ヒノキオさん、コメントありがとう!

うん、ジャンクー作品は何作か集中して観ると、作品同士の波動が増幅するっていうか重なりあってヴァイブするっていうか、より鮮烈に感じられるように思いました。

「長江哀歌」も「四川のうた」と続けて観て、ようやく完品の姿のように思えたくらいです。

なかでも「プラットホーム」はジャンクー世界のハブみたいな作品なのかなーとか、ふと思ったりしました。ハブ作品。そんな言い方があるのかどうか知らないですが。

「プラット…」のハン・サンミンは「世界」「長江哀歌」にも出てきますね。



by シロタ (2010-02-26 18:17) 

トラックバック 0

そういえば猫の日でした。「世界」 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。