オルセー美術館展 [展覧会、イベントなど]
「オルセー美術館展2010」 於:国立新美術館
印象派って正直もう賞味期限切れなんじゃないの、とか思ってて、ぜんぜん行く気なかったんだけど、シャヴァンヌとルソー、しかも「戦争」が来てると聞き、これは拝んで来ねば、とお参りに行ってきた。
……混んでたorz。
ていうか、平日の午前、開館直後張り切って行ったんだけど、その時間が結構混むらしい。閉館間際とかのが狙い目、なんていう話も聞いたことあるけど、基本混んでるんだろう。みんな大好き印象派だしね。
印象派が賞味期限切れなんじゃないのか、というのは、印象派とは歴史的な背景(アカデミズムの権威への反逆や、近代化への動き、政治的イデオロギーの傾向とか)があってこその表現だと思うのね。
ポスト印象派としても、キュビズム、フォーヴィズム、シュールレアリズム、ダダイズム、未来派やロシアアヴァンギャルドなどなど、表現の傾向というよりは、まさに“○○イズム”“○○派”と名づく主義主張、イデオロギーなんであろうと。
んで、そのイデオロギーの求心力が失われつつある、ていうか失われて久しい?ご時世に、印象派は表現として生き残れる芸術であるのか否か、ということ。
モナリザは500年経ても名画だけど、印象派以降、近現代の作家作品は500年もつのか?
ていうところで、モネはまだまだアリなんじゃないか、と思った。ていうか個人的にモネ好きなんだよね。
馥郁とした空気感、たっぷりした湿度、ゆらめく光線の豊かさが、ひたすら快い。描かれた風景が悦んでる感じで、観てるとなんかニコニコしちゃう。
パリのマルモッタン美術館には360度パノラマの「睡蓮」があるんだけど、あの部屋はうっとりです。
セザンヌはヤヴァい気がした。なんつーかな。昭和のカホリがするの。なっつかしー。
ゴッホ、ゴーギャンはもっとヤヴァい。なんかフツー。あまりにもフッツー!な絵だと思った。
制作された当時としては革新的で最新の表現だった、ていう以上の表現であるかは疑問。
ていうかわたしが個人的に好きじゃない、っていうだけかもしんないけど。
ゴッホは暑苦しいし、ゴーギャンはなんかイモくさいなーとか思って、ステキー!と思ったためしがない。
オディロン・ルドン、ギュスターヴ・モローのあたりはビタ好みなんだけど、このあたりってさあ、端的に言って少女漫画じゃないかしらん、と爆弾発言をしてみる(ドキドキ)。
(出展されてないけど、アルフォンス・ミュシャ、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ジョン・エヴァレット・ミレイなんかはド少女漫画。)
大好物だけど、そういう少女漫画くささをどう評価するかはビミョーな気がス。
あ、そうそうモーリス・ドニがよかった。構図がかっこよくて、おっ、と目に留まる。
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ「貧しき漁夫」
この画像はちっと黄色みが強いかも。もっと青みがかったグレーが占める感じ。
きゃー!シャヴァンヌだ!本物だ!嬉しい!
シャヴァンヌは、フレスコ画の影響ってこともあるけど、とても敬虔な印象がある。自己表現というより、もっと上位の存在に捧げるような敬虔さ、みたいな。
繊細に微妙な色合いの静謐な画面。全体を占めるグレーはかすかにざらついたテクスチュアが快い。
描写はさらっとあっさりめなんだけど、なんつーかね、品があるというか、格が高いというか。ものすごく上質のものを目の前にしている感じの品格を感じますのですな。
大好き。
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ「浜辺の娘たち」
今回は来てないけど、このブルーがすごく綺麗です。
アンリ・ルソー「戦争」
「蛇使いの女」もアレだけど、なんといっても「戦争」。この禍々しさ、ヤバさ。悪夢的に凶悪な、この異様な絵画。
堪らんです。
間近で観るとますます堪らん。呆れるくらいのヘタクソ!ヘッタクソ!デッサン狂い!
でも、そんなことをまるで意に介さない、なんだろう、この力。このヤバさ。
腹の底から訳のわからない爆笑がこみ上げてくるような。気が狂いそうな。
もーなんだこれ。
という訳でオルセー美術館展、わたしにとってはシャヴァンヌとルソーに尽きるのでした。
印象派って正直もう賞味期限切れなんじゃないの、とか思ってて、ぜんぜん行く気なかったんだけど、シャヴァンヌとルソー、しかも「戦争」が来てると聞き、これは拝んで来ねば、とお参りに行ってきた。
……混んでたorz。
ていうか、平日の午前、開館直後張り切って行ったんだけど、その時間が結構混むらしい。閉館間際とかのが狙い目、なんていう話も聞いたことあるけど、基本混んでるんだろう。みんな大好き印象派だしね。
印象派が賞味期限切れなんじゃないのか、というのは、印象派とは歴史的な背景(アカデミズムの権威への反逆や、近代化への動き、政治的イデオロギーの傾向とか)があってこその表現だと思うのね。
ポスト印象派としても、キュビズム、フォーヴィズム、シュールレアリズム、ダダイズム、未来派やロシアアヴァンギャルドなどなど、表現の傾向というよりは、まさに“○○イズム”“○○派”と名づく主義主張、イデオロギーなんであろうと。
んで、そのイデオロギーの求心力が失われつつある、ていうか失われて久しい?ご時世に、印象派は表現として生き残れる芸術であるのか否か、ということ。
モナリザは500年経ても名画だけど、印象派以降、近現代の作家作品は500年もつのか?
ていうところで、モネはまだまだアリなんじゃないか、と思った。ていうか個人的にモネ好きなんだよね。
馥郁とした空気感、たっぷりした湿度、ゆらめく光線の豊かさが、ひたすら快い。描かれた風景が悦んでる感じで、観てるとなんかニコニコしちゃう。
パリのマルモッタン美術館には360度パノラマの「睡蓮」があるんだけど、あの部屋はうっとりです。
セザンヌはヤヴァい気がした。なんつーかな。昭和のカホリがするの。なっつかしー。
ゴッホ、ゴーギャンはもっとヤヴァい。なんかフツー。あまりにもフッツー!な絵だと思った。
制作された当時としては革新的で最新の表現だった、ていう以上の表現であるかは疑問。
ていうかわたしが個人的に好きじゃない、っていうだけかもしんないけど。
ゴッホは暑苦しいし、ゴーギャンはなんかイモくさいなーとか思って、ステキー!と思ったためしがない。
オディロン・ルドン、ギュスターヴ・モローのあたりはビタ好みなんだけど、このあたりってさあ、端的に言って少女漫画じゃないかしらん、と爆弾発言をしてみる(ドキドキ)。
(出展されてないけど、アルフォンス・ミュシャ、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ジョン・エヴァレット・ミレイなんかはド少女漫画。)
大好物だけど、そういう少女漫画くささをどう評価するかはビミョーな気がス。
あ、そうそうモーリス・ドニがよかった。構図がかっこよくて、おっ、と目に留まる。
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ「貧しき漁夫」
この画像はちっと黄色みが強いかも。もっと青みがかったグレーが占める感じ。
きゃー!シャヴァンヌだ!本物だ!嬉しい!
シャヴァンヌは、フレスコ画の影響ってこともあるけど、とても敬虔な印象がある。自己表現というより、もっと上位の存在に捧げるような敬虔さ、みたいな。
繊細に微妙な色合いの静謐な画面。全体を占めるグレーはかすかにざらついたテクスチュアが快い。
描写はさらっとあっさりめなんだけど、なんつーかね、品があるというか、格が高いというか。ものすごく上質のものを目の前にしている感じの品格を感じますのですな。
大好き。
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ「浜辺の娘たち」
今回は来てないけど、このブルーがすごく綺麗です。
アンリ・ルソー「戦争」
「蛇使いの女」もアレだけど、なんといっても「戦争」。この禍々しさ、ヤバさ。悪夢的に凶悪な、この異様な絵画。
堪らんです。
間近で観るとますます堪らん。呆れるくらいのヘタクソ!ヘッタクソ!デッサン狂い!
でも、そんなことをまるで意に介さない、なんだろう、この力。このヤバさ。
腹の底から訳のわからない爆笑がこみ上げてくるような。気が狂いそうな。
もーなんだこれ。
という訳でオルセー美術館展、わたしにとってはシャヴァンヌとルソーに尽きるのでした。
こんにちは。
ルソーの「戦争」、異様で禍々しい、そうですね、馬の造形など堪りません。
ルドン、モローは私も大好きですが(耽美的)確かに少々少女漫画的。
ミュシャ&ラファエル前派はド少女漫画・・・これは全く同感です。
シャヴァンヌはよく知らないのですが、モーリス・ドニは大好きです。
オルセー美術館展は私は観たいなぁと思っているのですが、大阪からは、コリャートテモトテモ。それに人混みが嫌いなもので。
すみませんゴーギャン・・・好きです、色遣いが好みなのです。
by じゃむとまるこ (2010-06-27 08:06)
こんにちは☆
私も、行きたくて、都合を見つけてるのですが、ちょっと無理。
残念です。
ゴーギャンは、私も、ちょっと、ゴメンナサイだけど、あんまり....です^^;。
ルソーは、怖いもの知らずな感じを受けます。
開きなおりというか、無垢な強さというか、
屈して無い感じが。
天晴れだな~って気持ちで、ふふっと笑いたくなるの、わかるわかる(笑)。
by yutake☆イヴ (2010-06-28 19:19)
>じゃむとまるこさん
コメントありがとうございます。
近年の美術展の混雑具合と来たら、あまりに非人間的ですもんね。
出来の良い複製を所有してじっくり観る方がよほど鑑賞と言えるかもしれないです。
ド少女漫画…ふふふふ、同意いただいて嬉しいです。
そういや少女漫画といえば、森脇 真末味「Blue Moon」をまだ読めていないのです。ずっと気になっているのですが。
ゴーギャン、土着的な力強さがありますよね。
ドニはいいですね!今回、ナビ派が印象に残りました。
by シロタ (2010-06-30 16:19)
>yutake☆イヴさん
コメントありがとうございます。
ルソーの怖いもの知らずっていうのは、然り。まさに。
ほんと天晴れですよねー。
ルソーの作品は発表された当時にしてもお笑いコーナーだったらしいんですが、下手糞をあげつらって嘲弄する笑いってだけじゃなく、なにかしら衝撃とか畏怖にうたれる笑いってこともあったんじゃないかと思います。
by シロタ (2010-06-30 16:20)
おはようございます
森脇 真末味「Blue Moon」、これには嵌りましたね~。
ラストは秀逸としか言いようがないです。
でも手に入るのでしょうか?
by じゃむとまるこ (2010-07-09 07:32)
「Blue Moon」、amazonの古書で手に入らないこともないんですが、ちょっと高価なのです。全然手が届かないこともないんだけど微妙に躊躇うお値段。
じゃむとまるこさんに教えていただいて以来、気になってるんですが、少女漫画好きの間でもかなり評価の高い作品らしいですね。
by シロタ (2010-07-09 10:57)