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「ヘルタースケルター」 [映画]

観た。映画のほう。→「ヘルタースケルター」公式webサイト
原作は未読。

映画「さくらん」がアレだったのであんまし期待してなかったんだけど、期待せずに観たのがよかったのか、意外と悪くなかった。

日本独特の幼女文化的カワイさ全開つーか、キッチュでキワどい悪趣味すれすれな感じを過剰にかます蜷川実花テイストがうまいこと話に噛んでる。

衣装とかファッショングラビアの撮影場面とかりりこの部屋とかすげー楽しい。
真っ赤っかとか どピンク とか盛りっ盛り、キラキラじゃらじゃらふわふわ満載。
ヤバそうな病院の手術室とか包帯ぐるぐるな病んでる感とか、もー超嘘くさくてその嘘くささ・つくってる感・わざと感がサイコー。

りりこが錯乱して幻覚をみる場面、イチゴにぐばっと目が開いたり、キュートでポップな品々が悪趣味毒毒な悪夢に変貌する様はすっげ狂っててイイ。
ていうか、そもそものキュートポップな品々にはもとから毒が仕込まれてるかのような、悪夢との地続き感があんのよね。そういう、日常に潜む狂気ががばっと裏返って出てきた感じがヤバくてイイ。

たまにやり過ぎつーかスベってるとこもあって、謎のポエマー検事の仕事部屋のわざとらしさには笑った。換気扇くるくる越しに光が漏れてるその演出はなんなんすか(笑)。いかにもな刑事部屋っぽさ、的な。


で、沢尻エリカが大変よい。
きれいでカワイくてぴかぴかキラキラなオーラ出まくり。
すごくよい。よいが。よいのです。が。
凶暴でキレッキレな壊れっぷりも見応えあるんだけど、なんだろうかねー、なんかすっごく頑張ってキレてるつーか、周囲から求められるイメージに精一杯応えてる感があるというかねー。うん、頑張ってた。
セックスのシーンとかも、放埒で貪欲なヒトを一生懸命演じてるって感じで、セックスなんてりりこにとっちゃどってことないであろう行為が一大事な場面に見えて、なんかこういたたまれないつーか。
場面によっては痛々しいほど、頑張ってた。

沢尻エリカってわがまま女王様的な扱われ方だけれども、ひょっとしてすっごく生真面目な人なのかなーなどと思った。

そういう頑張ってる感が、りりこという人物の造形としてはいいのかどうかよくわからないんだけど、後半、りりこが崩壊してくあたりにはすごいキいてて、りりこ=沢尻エリカがとても可哀想で哀れだった。
ここいらへん、りりこが哀れでいいもんなのか、ちょと疑問ではある。原作読んでみたい。


あと、ナゾなのはとにかくポエマー検事。断じてpoetなどではない、へっぽこポエマー。
大真面目にポエムをぶっ放すので吹きそうで困る。なんなのこの人。
いきなり「やっと会えたね、タイガーリリー」とか雰囲気たっぷりに言われて「ハァ?」ってなんないのは難しいぜよ。
役どころとしてはりりこを追いつめる重要な役であるらしいのに、ポエムな台詞まわしが上述のわざとくさい仕事部屋で呟かれてそのたんびに興が冷める。キッツい。

あ、あとさー、ザ・卑屈マネージャー羽田ちゃんがりりこの全身整形をマスコミにリークする行動は何故かよくわかんなかった。
崇め奉ってた完璧なりりこが完璧でなかったことに裏切られたと思っての復讐ってことかなー、とか思ったんだけど、ポストにつっこんでるときニッコニコしてんだよね。すっごくイイコトしてるあたし!的なニッコニコ。なんだろねあれ。

あとなんかテンポがよくないのか、妙に長く感じた、とか、ところどころやっつけで片づけた感、とか、やっぱり原作の解釈としてどうなのか、とか、原作発表時の時代背景と現代のそれと違和感ないのか、とか、なんだかんだいいつつも、まあ悪くなかったです。






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