最近観た映画 [映画]
「南極料理人」
公開時に映画館で観たんだけど、午後ローでやっててまた観た。
世知辛い現実から隔絶されたある種のユートピア、なんだろうなー。楽しそう。シロタ夫は「ここ行きてー」んだそうだが、大抵の男子は行きたいかもね。
女子はダメー、とか言われそうな男子校ノリな感じが微妙にひっかかるけど、中盤から後半にかけて、「渋谷とか行きたい…」とか「胃にもたれる(グスンヒック」とか、“おもしろうてやがて悲しき”な風情、“ここはユートピアではないよ”な描写に誠実さを感じた。ずっと南極でバカやってたい、っていうだけじゃコドモ過ぎるものな。
ゴハンうまそう。伊勢エビのエビフライ食べたい。ラーメンも食べたい。
「デンデラ」
全然観る気なかったんだけど“いろんな意味で凄い”と小耳に挟んで、観たら、確かにいろんな意味で凄かった。
婆さまたちの迫力が凄いでござる。なんかこうキワモノっぽさというかB級感を感じないこともないのでつい茶化したくなるんだけど、婆さまたちの激しさ・迫力と、なによりその怒りの正当さに態度を改めさせられる。
捨てられた者、殺される者の怒り。生きるための怒り。
熊がな…。熊がもうちょっとどうにかなってれば。なんかすっごい惜しいんじゃないのかなー。
「バイオハザード」
TV放映される度につい見ちゃうんだけど、シロタ的見どころは怪光線のサイコロカットんとこ。いやーあれは恐ろしカッコいい。それ以降はさほど関心なく流しちゃうな。
あ、エレベーターギロチンとか、水に浸かった死体がゾンビ化してガラス越しに殺意キラーン、ていうのもなんかこう様式美を感じます。続編は観てない。
「TAKESHIS'」「監督・ばんざい」
これまた「8 1/2」なのかな。これやりたがる人って多いの?
ただ、なんか中途半端というか、だから何?、っていうかな。
「8 1/2」は、フェリーニ自身を自己批評することにより、自分の仕事を全部観客にギフトしてくれて、観客もが映画の中で生き、その生を祝われるってことなんだと思うんだけども。
「TAKESHIS'」は自己批評するだけで終わっちゃってるように見え、「監督・ばんざい」は自己批評→笑いに持ってこうとしてスベったように見えた。
だけどどっちも結構おもしろく観れたことは観れて、脚本とか画づくりの確かさとか技巧的なことはやっぱり流石なんだろうなあ、とか思った。
「TAKESHIS'」は芸能人たけしと売れない役者たけしの交錯とか自分殺しとかおもしろかったし、死体メイクのダンサーのブレイクダンス場面とかつい見入っちゃった。
「監督・ばんざい」は全然笑えなかったんだけど、後半の江守徹の崩壊ぶりとか狂っててヤバかった。
「アキレスと亀」
これは…。現役美大生とかが観たら感動感激して心酔しちゃうか恥ずかしさに居たたまれず死んじゃうかどっちかじゃないかちら。観たのがいいかげんイイ歳の今でよかった…。
近代美術のパクりっぷり(も^-何をパクったのかまるわかりのあからさまなパクり。頭抱えるレベルのパクり)。とか、画廊主に言われるがままの過剰適応が迷走するさまはなかなかイタくて笑える。後半の、娘に口紅塗ったくるとことか真っ赤な部屋とかはシャレになんなくてヒく。
しっかしナルいなー。最後に妻が迎えに来るとことか超絶ナルナルしく、ちょっと呆れた。野垂れ死にとかのほうがいいんじゃね、と思ったけどそれはそれでナルいかな。
公開時に映画館で観たんだけど、午後ローでやっててまた観た。
世知辛い現実から隔絶されたある種のユートピア、なんだろうなー。楽しそう。シロタ夫は「ここ行きてー」んだそうだが、大抵の男子は行きたいかもね。
女子はダメー、とか言われそうな男子校ノリな感じが微妙にひっかかるけど、中盤から後半にかけて、「渋谷とか行きたい…」とか「胃にもたれる(グスンヒック」とか、“おもしろうてやがて悲しき”な風情、“ここはユートピアではないよ”な描写に誠実さを感じた。ずっと南極でバカやってたい、っていうだけじゃコドモ過ぎるものな。
ゴハンうまそう。伊勢エビのエビフライ食べたい。ラーメンも食べたい。
「デンデラ」
全然観る気なかったんだけど“いろんな意味で凄い”と小耳に挟んで、観たら、確かにいろんな意味で凄かった。
婆さまたちの迫力が凄いでござる。なんかこうキワモノっぽさというかB級感を感じないこともないのでつい茶化したくなるんだけど、婆さまたちの激しさ・迫力と、なによりその怒りの正当さに態度を改めさせられる。
捨てられた者、殺される者の怒り。生きるための怒り。
熊がな…。熊がもうちょっとどうにかなってれば。なんかすっごい惜しいんじゃないのかなー。
「バイオハザード」
TV放映される度につい見ちゃうんだけど、シロタ的見どころは怪光線のサイコロカットんとこ。いやーあれは恐ろしカッコいい。それ以降はさほど関心なく流しちゃうな。
あ、エレベーターギロチンとか、水に浸かった死体がゾンビ化してガラス越しに殺意キラーン、ていうのもなんかこう様式美を感じます。続編は観てない。
「TAKESHIS'」「監督・ばんざい」
これまた「8 1/2」なのかな。これやりたがる人って多いの?
ただ、なんか中途半端というか、だから何?、っていうかな。
「8 1/2」は、フェリーニ自身を自己批評することにより、自分の仕事を全部観客にギフトしてくれて、観客もが映画の中で生き、その生を祝われるってことなんだと思うんだけども。
「TAKESHIS'」は自己批評するだけで終わっちゃってるように見え、「監督・ばんざい」は自己批評→笑いに持ってこうとしてスベったように見えた。
だけどどっちも結構おもしろく観れたことは観れて、脚本とか画づくりの確かさとか技巧的なことはやっぱり流石なんだろうなあ、とか思った。
「TAKESHIS'」は芸能人たけしと売れない役者たけしの交錯とか自分殺しとかおもしろかったし、死体メイクのダンサーのブレイクダンス場面とかつい見入っちゃった。
「監督・ばんざい」は全然笑えなかったんだけど、後半の江守徹の崩壊ぶりとか狂っててヤバかった。
「アキレスと亀」
これは…。現役美大生とかが観たら感動感激して心酔しちゃうか恥ずかしさに居たたまれず死んじゃうかどっちかじゃないかちら。観たのがいいかげんイイ歳の今でよかった…。
近代美術のパクりっぷり(も^-何をパクったのかまるわかりのあからさまなパクり。頭抱えるレベルのパクり)。とか、画廊主に言われるがままの過剰適応が迷走するさまはなかなかイタくて笑える。後半の、娘に口紅塗ったくるとことか真っ赤な部屋とかはシャレになんなくてヒく。
しっかしナルいなー。最後に妻が迎えに来るとことか超絶ナルナルしく、ちょっと呆れた。野垂れ死にとかのほうがいいんじゃね、と思ったけどそれはそれでナルいかな。
お久しぶりです。
>「南極料理人」
各所で好評を聞いており、この記事で、これはもう観てみようと思いました。
能天気に楽しいだけの映画でもないんですね。
>「TAKESHIS'」「監督・ばんざい」
>ただ、なんか中途半端というか、だから何?、っていうかな。
自分が観たこの時期の北野映画は「TAKESHI'S」のみですが、いやあ、何とも感想に詰まる作品でした(笑)
でも、この後に「アウトレイジ」「アウトレイジ ビヨンド」とエンタメに振り切った快作を連発していることを思うと、「TAKESHI'S」~「アキレス」には膿を出し切る的な意味で価値があるのかなと思います。
別記事ですが、自殺についての考察も興味深かったです。
人の心というか、精神も、普通に病みも傷みもする目に見えない器官だという考え、認知が社会一般にもっと必要なのかもしれませんね(的外れだったら申し訳ないです)。
by 江楠 (2013-04-02 21:10)
江楠さん、こちらこそご無沙汰してます。
>「南極料理人」
いえ、能天気に楽しいだけ、って気楽な見方でも全然OKな気もします。
実はすごく気を配ってつくっているんだけど、その気配りに気づかせないような気の配り方してる感じの。だからすごくリラックスして観られる。
ただ楽しませるだけ、って実はすっごい難しいですよね。
>たけし映画
「TAKESHIS'」も「監督・ばんざい」も北野武/ビートたけしに興味ない人にはあんま意味ない感じがしちゃいましたね。
ひとりの監督の制作史的にはおもしろいのかも。
>自殺についての考察
いえ全然的外れなんてことはないです。読み取っていただいて嬉しいです。
中島らもさんの作品に「こころだって からだです」っていうコピーがあるそうなんですよ。
ホントそうだな、って。
by シロタ (2013-04-03 11:48)