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「リアル ~完全なる首長竜の日~」 [映画]

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公開されて早いうちに結構はりきって観に行き、なかなかおもしろかったんでござるが、なんか文章をまとめる気分じゃなかったもんで書きかけで放っといてた。


こういう、仮装現実とか意識ん中にダイブとか夢とか無意識とかフロイト/ユングくさい題材って大好き。大好物。
フィロソフィカル・ゾンビとか勿体ぶった用語をもっともらしく連呼したい。わあいわあい<お祭り。

画ヅラがかっこよくて気持ちいい。
(関係ないけど最近のTV番組ってピントが甘いことない? 細かい手元のアップとか後ピン気味だったりしてさ。アレ地味にイライラする。で、そういうイライラが一切なくって)撮すべきものを撮すべく撮して過不足なくちゃんと見せてる、って感じですげー気持ちいい。
光の加減が繊細で空気感がキーンと澄んでて緊張感ヤバい。そいでやっぱアレだ、廃墟の画ヅラのかっこよさとか既に官能の域。うっとり。

いつなにが出てくんのか、っていう息詰まる緊張感に、惨殺死体とか怪しい少年の影とかがスッと差し挟まれる、そのタイミングがまあ怖い。
なんの前触れもなく、かといって突飛すぎて浮くってことでもなく、「…ハッ!!」ってタイミングで来る。ひゅう(ため息)。

キョン母ちゃんと健息子のなんかちょっと気まずい感じとか、オダジョー編集の上っ面ぽさとか、ビミョーな人間関係の描写はニヤニヤしながら見ちった。
性格悪そうな描き方つーかな、やーな感じー。でも性格悪い人嫌いじゃないな。ニヤニヤ。


んでそういう異様なイメージ差し挟みつつビミョーな人間関係が重ねられ、うわーなにこれうわー、ってなりながら、徐々に謎が明らかになってく。
なんかヘンだなー、この人いっつもおんなじ服着てるよねー、とかひっかかることは幾つもあって、予測はできてるんだけど、それでもやっぱり「おおそうだったか!」ていう快感にカタルシスる。

首長竜さん大暴れ&冗談みたいに吹っ飛ばされる佐藤健、とかにも大喜び。アクションアクション。
頭ん中、意識の世界の何でもあり加減と、それでもその意識下での夢ロジック・夢ルールみたいなのがきちっとあって、その兼ね合いが説得力。
竜退治→過去のトラウマの清算、ていうお話の持ってき方も神話的でほほーぅ、て深読みしたくなるよな。



んで、黒沢清監督映画ていうと、じわっとものものしい雰囲気&それまでの黒沢作品を踏まえた観方・ノリ方必須、な感じなんかなー、とか構えてたら、なんか意外と普通に楽しめてびっくり。
なんつかこう、テレビでゴールデンタイムに放映されても違和感なくお茶の間にたえる感じというか、サブカル臭さ・深夜枠臭さがないというかな。(偉そうな物言い)

うんおもしろかった。



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