「バッファロー’66」 [映画]
いろいろとイタくてダメなヘタレ男が、「子どものように純真で母親のように優しく」無条件に自分を受け容れてくれる幼児体型のぽちゃぽちゃした女によしよしされて「うん、ボクいいコになるよ」的ご都合主義なお話なんだが、いーじゃないかたまにはご都合主義だって。
クリスティーナ・リッチが安達祐実に見えてしょーがなかったんだが、ケバいアイメイクと写真撮ってるときのポーズが土屋アンナに見えてしまって、しかも「下妻物語」の土屋アンナで、つまりアタマの不自由な田舎のヤンキーに見えて、うーぬこれって男女逆転して、ムショから出てきたのがリッチ=アンナ=いろいろとイタいヤンキーだったとしても成立しちゃうじゃん、あらまー。
なんかこの、あらまー、の感じがなかったらヴィンセント・ギャロだろうがなんだろうがヘタレの一言で終わりなんだが、あらまー、なんだよなー。
いろいろとイタくてダメなヘタレ女が、「子どものように純真で父親のように優しく」無条件に自分を受け容れてくれるガッチリ体型のちょっとモサい感じの男(例えばベニチオ・デル・トロとか昭英とか)によしよしされたら「うん、アタシいいコになる」って言っちゃってもしょーがないじゃないすか。
あらまー。
おずおずと、ベッドの端から、そっと手を伸べて。
期待して、でも期待が裏切られることが怖くて。
吐き気のような孤独に震えながら、そっと抱擁をねだる。
愛してほしい。
夜の底で願う、誰もが。
いじらしい映画。
あらまー
by 楓 (2008-08-22 00:12)