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『僕のなかの壊れていない部分」白石一文 [書籍]



タイトルと表紙の絵に惹かれて読んでみたものの。
これ、小説じゃない。んじゃないかなあ。
どっちかつーと、エッセイじゃないかと思う。

「何故僕は自殺しないのか?」とか、「何故生きるのか?」とか、主人公はくだくだと考えたりする訳だが、その考えるくだりで、ぺらぺらと饒舌に主人公=作者の考えがザ・結論として置かれる感じが、どうにもエッセイっぽい。結論ありきのザ・自己主張。
わざわざ小説として主人公を置き、あれこれ行動させ、周囲の人物とこざこざ関わりをもっても、まるで主人公は揺らぐことがない。
その揺るがなさが読む側に何かを訴えてくるかっていうと、そうとも思えん。

解説で、毎日新聞編集委員の重里氏とやらが
「白石さんは、現実社会への違和感を感覚的に表現したりしない。」
と称賛しているけれど。
むしろ、小説ってそういうことを表現するもんなんじゃないのかな。
感覚的なとらえ方をとばして、コレはこうだ、ってはっきり言ってしまえるなら、それは小説にする意味なくねえ?

なんかどうにも、「俺はこう思う」ってのを聞かされてるようにしか思えない。
別にいいけどよ。
「悪いけど、誰もかもがオマエに興味あるって訳じゃねえから」とか言いたくなった。

それにしても、いいタイトルだなあ。


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コメント 3

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シロタ

追記。

文章のセンスが、ときどきあイタタタ、って感じ。
だってさあ。
「(一流の野球選手といえども)下半身のバットは制御不能なわけだな、」
って、これ、あイタタタ、でしょう。ギャグだとしても相当さぶいぞ。
by シロタ (2008-09-22 14:42) 

ゆき

私も同じ事を思いました。
すんごく疲れて読んだ割には「お前の持論を唱えてどうする。」と
一蹴した本でした。
残念。チーン。
by ゆき (2008-09-30 15:13) 

シロタ

ゆきさん、コメントありがとうございます。
小説中に引用されてる文献はなかなか興味深いんですけどね。
編集もどうにかしたれよ、って感じです。
by シロタ (2008-10-02 17:50) 

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