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「ハスラー」 [映画]

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ダメダメ野郎に惚れて入れ込んでしまう女性の気持がわからなくもないといっても過言ではないのだ!

賭け事にのめりこみ、酒をかっくらってベロベロで大負けし、女の部屋に転がり込んで世話になるプー野郎、と言ったら身もフタもないんだけど、それしか言いようがないです。
そいつが、どうしてこんなにこんなにかっこいいんでしょう。

ダメ野郎は自分のダメ加減を思い知らされつつも、ハスラーとしてプライドを取り戻そうとする。ここで、「真っ当に働く社会人」として立ち直ろうとしないところがダメ野郎。
自分がダメ野郎であることを嫌になるほど自覚しつつ、ハスラーとしてしか生きられない、その葛藤する姿が見どころかと思いますです。

ちょっとでもビリヤードをかじったことのある人なら、ポール・ニューマンが相当練習を積んだことがわかります。代役ではなく、ちゃんとニューマンが撞いてる。撞いている姿や、キューにチョークを塗る仕草もすっごく自然だし、サマになっている。
ビリヤード店やそこに集う客達の雰囲気もすっごくイイ。


ここからはビリヤードうんちく。

ハスラーというのはひらたく言うと詐欺師のことで、あんまりいい意味はないです。英語では「娼婦」とかの意味もあるので気をつけましょう。

映画でエディとファッツが勝負しているのは14-1(フォーティーン ワン)というゲームで、日本で主流のナインボールとは違います。非常に頭を使い、まぐれの出にくい難易度の高いゲーム。
撞く前に「6番をコーナーに」とか言ったりしてるでしょ? これはコールショットというルールで「6番ボールをコーナーポケットに入れますよ」と宣言するセリフ。宣言どおりに入らないとファウルになります。「セーフ」と宣言して撞く場合は、「相手にとって撞きづらいような配置にしちゃうぜ」という守備作戦。

映画でエディはくわえタバコでプレイしていますが、たいていの球屋ではマナー違反です。ファッツは台のはじっこにタバコを置いたりしてるけど、それもダメ。台に置いてもいいのはチョークだけです。

日本でいうところのビリヤードは、台に6つの穴(ポケット)があり、そこに狙ったボールを落とす「ポケット」がほとんどで、これは英語では「プール」と言います。
英語でビリヤードというとポケットのない台で、狙った球に自分の球をあてて点数を競う「キャロム」をさします。

エディがフィンドレイの家に行って戸惑うシーンがありますね。あれは、エディがプール派なのに対し、フィンドレイがキャロム派だからです。
フィンドレイは「I don't play pool, I play billiyards(字幕では「私はビリヤード専門でね」)」と言いますが、プールとキャロムの違いを知らないと、この台詞がわからないかも。
ちなみにプールとキャロムでは球も台も大きさが違い、ゲーム的にも感覚が違うので、このシーン、エディはかなり不利な状況に立たされている訳です。




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