「親切なクムジャさん」「オールドボーイ」：ヘン見聞録：SSブログ

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「親切なクムジャさん」「オールドボーイ」　[映画] [編集]

「親切なクムジャさん」
話はどーでもいい。かなり最初の段階で放棄。
エピソードがいちいちエグくって、抑制がきいてなくって、これ見よがしな昼ドラ的悲惨。
画づくりのスパイスとかアクセントに扱われている感じがした。
画ヅラありき、みたいな。「The Cell」と同系統な印象。こういう画だけの薄っぺら映画って嫌いじゃないんだけども。

そんな訳で、画はとてもいい。
映像とか美術のセンスがすんごくよくって、いちいちため息つきながら見入った。
赤を基調にした色彩設計、壁紙の柄やケーキの飾り付け、サロメとかメディアみたいなブロンズ像、抜けのいいオーストラリアの平原、ダサめのワンピースとスタイリッシュなコート姿の対比。
クラシックな拳銃。赤いアイシャドウ。
かっこいいなあ。

しっかし、ほんと悪趣味。

「オールド・ボーイ」
これまた悪趣味。話にほとんど意味なし。
エグけりゃリアル、とか、エグけりゃ人間の深みを表せてる、っていうセンスはどうかと思う。
無駄にグロいし、意味なく痛い。そりゃインパクトはあるだろうけど、だからなんだよって話だ。

ウジンくんがナイスキャラ。
なかなかスマートなやり方で、いいセンスしてます。もう少しドライでクールにキメてくれるとアジアのレクター博士になれたかもしれないね。

そんな訳で、ナイス画ヅラ。
紫のギフトパッケージ、ハンカチ、部屋の壁紙や内装、ライティング、などなど。
ウジンのペントハウスのクールなこと。クロゼットの仕掛けに小躍り、カフスボタンのコレクションケースに狂喜。なんで部屋に水が流れてんの。いちいちバカっぽくてステキ。

音楽もいい。クラリネットが印象に残る。

この監督はセンスいい人なんだろうけど、主に悪趣味方面にそのセンスが発揮されちゃうのが個人的に惜しい。