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「ステラ」 [映画]



だいーぶ昔に深夜テレビでやってたのを偶然観て以来、ずーっと印象に残って覚えてて、いつかまた観たいと思ってたところ、つい先日、昼間のテレビでやってた。でかしたテレビ東京。
初見の印象のせいか、なんかこれ、テレビで観るのに似合う感じがする。主人公の雑駁な印象もテレビに合うのかもしれない。

ともかくステラ母ちゃんの魅力に尽きる。ビミョーにずれてたり、洗練された人物ではないんだけど、明るく強く朗らかで、常に一生懸命な姿に、なんかほっこりする。素直に泣いたり怒ったり笑ったり、感情表現が豊かに活き活きとしていて、目が離せない。特に笑顔がイイ。

初見のときには、イイ話だー、と素直に思えたけど、今観たらちょっと納得いかんかった。特にラスト。以下文字色反転ネタばれ含む。

ステラは、学歴も教養もない自分は娘の傍にいないほうがいい、と、決心し、娘を娘の父親とその再婚相手に託す。わざと邪険にふるまい、娘を突き放す場面は迫力。その後、所在もわからなくなって完全に娘の前から姿を消す。
ラストシーンは、娘の結婚式をこっそり覗くステラ、どこまでも娘のためを思って娘に会わないまま、雨にうたれながら娘の幸せを喜ぶ姿で終わる。

イイ話ではあるんだけど、君らズレてるよ、ていう感じが猛烈にする。
娘のためを思って離れたほうがいい、っていうのともかく、娘から姿を消すって極端すぎるだろうよ母ちゃん。でもこの辺りはステラのやたらに思いきりがよすぎる侠気を思うとわからないでもないんだけど、そういうことやらかしそうな気配を周囲の人らもわかったれよ。などと。
いかにも育ちのよさげな父親&知的で好人物な再婚相手も、ステラに言われたからって言うとおりし過ぎ。

いっちアレなのはジェニー娘。母に追い出された時点で、母と距離をおくのはアリだと思うの。ただ、あすこで父ちゃんとこ行くんじゃなくって、一人暮らし自活っていうテはなかったものか。ぜひとも自立を選ぶべきですぜよ。父親とも母親とも距離をおくのだ。
父親から学費をふんだくって好きな建築の勉強続けるテもあったんじゃないのかなー。

それに、良家の坊ちゃんと結婚して幸せ、っていうオチも如何なものか。制作された'90年においても、既にそういう御伽噺シンデレラな幸せって現実的じゃなかったと思うんだけどな。しかもアメリカで。
さらに深読みすれば、ステラこそが母の鑑、母親とはこうあるべき、みたいなふうに観ちゃう人が居そうなのも嫌。

やっぱり、自分が幸せになるってことを大切にしないといかんと思うのよ。誰かのために自分が犠牲になればいい、っていうのは、自分さえよければ、っていうのと同じ独りよがりなのだよ。
などと思う、ステラの姿に素直に感動することができなくなっている自分を発見しましたのです。






つか、DVDの高騰っぷりがすごい。なにこれ。



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