「カラフル」 [映画]
なんかあんまりコなかった。つか、全然コなかった。
期待しすぎたのかな。
なんだそんなことか、っていうか、ある意味当たり前のことですねえ、みたいな肩透かし感を拭えず。
当たり前のことであろうけれども、その描かれ方によってそれが当たり前であることの素晴らしさ有り難さがじんと沁みてくる、とか、そういうこともなく。
こういう言い方は我ながら上から目線で嫌な感じと思いつつ、どうにもこうにもコない。
アニメ表現である意味がよくわかんなかった。人物の表情や仕草や、細かいところまで気を配ってあるのはわかるけど、実写の人物の演技で表されるほうが合う演出のような気がする。特に母ちゃんのしんどさツラさとか気まずさとか。
背景の絵の描きこみの精細さは凄いとは思うけど、凄い以上の感情が湧いてこない。また、ところどころ実写(描画加工が施されてるのかもしれないけど印象は実写)が混ざってて違和感。人物との馴染み加減や場面場面での写実レベルにガタつきがあって統一されてない印象。
全体に、灰色のアスファルトの無機質な質感が印象に残る、都会の冷たい感じがして、にもかかわらずそこに滲む人の姿、それぞれの思いは鮮やかにカラフル、ていうふうに描きたいのかな、とは思ったけど、どうにも灰色の印象のほうが強く感じた。
ただ、人は生きてゆく上で、どこかで死を通過しなければならないのだよな、ということを思った。
実際に身体を滅するという意味ではなく、比喩というか、魂の死という意味で、自分の中で古い自分を死んで新たに生き返る。河合隼雄っぽい。
比喩と言ってもこれを超えるのは生半可ではなく、失敗して本当に身体も死んでしまったり、死んだまま生きてる人もいる。
ちゃんと死なないと、ちゃんと生きられない。逆も真なり。
期待しすぎたのかな。
なんだそんなことか、っていうか、ある意味当たり前のことですねえ、みたいな肩透かし感を拭えず。
当たり前のことであろうけれども、その描かれ方によってそれが当たり前であることの素晴らしさ有り難さがじんと沁みてくる、とか、そういうこともなく。
こういう言い方は我ながら上から目線で嫌な感じと思いつつ、どうにもこうにもコない。
アニメ表現である意味がよくわかんなかった。人物の表情や仕草や、細かいところまで気を配ってあるのはわかるけど、実写の人物の演技で表されるほうが合う演出のような気がする。特に母ちゃんのしんどさツラさとか気まずさとか。
背景の絵の描きこみの精細さは凄いとは思うけど、凄い以上の感情が湧いてこない。また、ところどころ実写(描画加工が施されてるのかもしれないけど印象は実写)が混ざってて違和感。人物との馴染み加減や場面場面での写実レベルにガタつきがあって統一されてない印象。
全体に、灰色のアスファルトの無機質な質感が印象に残る、都会の冷たい感じがして、にもかかわらずそこに滲む人の姿、それぞれの思いは鮮やかにカラフル、ていうふうに描きたいのかな、とは思ったけど、どうにも灰色の印象のほうが強く感じた。
ただ、人は生きてゆく上で、どこかで死を通過しなければならないのだよな、ということを思った。
実際に身体を滅するという意味ではなく、比喩というか、魂の死という意味で、自分の中で古い自分を死んで新たに生き返る。河合隼雄っぽい。
比喩と言ってもこれを超えるのは生半可ではなく、失敗して本当に身体も死んでしまったり、死んだまま生きてる人もいる。
ちゃんと死なないと、ちゃんと生きられない。逆も真なり。
こんばんは~。
「カラフル」、先日の日曜日に「悪人」とセットで観に行きましたが、「カラフル」上映1時間前、「悪人」上映3時間半前に映画館に到着・・・「カラフル」ソールドアウト、3時間半も待っていられない(そこまでして観たいとは思わない)ので、すごすご帰ってきました。優待券が有ったのですが、ネット予約が出来ないんです。
観ていないのに批評をするのもどうかと思いますが・・・
シロタさんの仰るように、それって当たり前ジャンという感じを持つような気がしています。人はそれぞれという意味がそんなに深く描けていないような・・・という気もするのです。
いやいや、観てもいないのにこんなことを言っちゃいけないんだろうけど。
例えば、本屋さんへ行きますよね、なんとなくわかりますよね、これは読みたいって言う感じが・・・その感じがあまりないというか・・・
「悪人」もそうなんですが。
生意気でしょうか?
by じゃむいとまるこ (2010-09-17 00:04)
わかりますわかります(笑)。
映画でも書籍でも、こんな感じなんだろうな〜、みたいなカンがはたらくっていうか。
カンがあたるときも外れるときもあるんで何とも言えませんが、そこそこアンテナ巡らせて、書評やレビューや話題としての扱われ方なんかを見聞すれば、結構絞られてきますよね。
それに最近はCMでかなり露出してしまいますね。「カラフル」も結構核心を晒してしまっているような…。
そういう先入観なしでなんでも見聞きして判断すべきなのかもしれませんけど、お金も時間も有限ですから、ある程度そういうカンで選んでいかないと(笑)。
by シロタ (2010-09-17 20:51)
お母さんかわいそうですよね。
アニメーションと言えば、早稲田松竹で今敏監督の追悼上映あります。
あとこんな企画みっけました。興味あったら。
新文芸坐
"00〈ゼロ〉年代" もう一度スクリーンで観たい映画はこれだっ!
http://www.shin-bungeiza.com/
2010年10月20日しめきり
by タニプロ (2010-10-16 16:44)
タニプロさん毎度お越しやす。
もーなんかねー。子どもって残酷だなーっつか、お母さんフルボッコだもんよ。母親に、明からさまに責めやすい落ち度があることを知ってて、負い目を感じているだろうこともわかってて、優位にある立場に全のっかりで虐め放題ですからねー。
まーでもそういうとこ、いかにも視野の狭い子どもっぽくてリアルでしたねえ。
早稲田松竹の企画は毎度毎度ニクいですよね。今敏監督特集、観に行くつもりですけど、混むかなー。ちゃっちゃと行って並んだ方がいいのかも。
新文芸坐は行ったことないのです。
おもしろそうな企画ですね。情報多謝。
by シロタ (2010-10-18 19:21)
んー。なんつーか、再生物語なのに、お母さんだけほったらかしなまま終わった気がして「良いのかそれで?」と思ったんですね。
最近(僕が観ている範囲での)話題作劇場アニメって、ツメが甘いのが多い気がするんです。
去年の「サマーウォーズ」も、「アリエッティ」も「カラフル」も、こだわってるところはやたら力入れて、どっかが完全に抜けてるというか・・・
まあそんなにアニメ映画に詳しいわけじゃないんですけどね。
>今敏監督特集、観に行くつもりですけど、混むかなー。
たまたまこれが決まって早稲田松竹公式サイトにアップされた時に僕が気付いて、twitterにつぶやいたら、170人くらいから反応が来ました(笑)そんなこんななので、相当混むと予想します。
by タニプロ (2010-10-19 00:47)
あ、そーかそーか。確かに母放置かも。
ただまあ、とりあえず、頑に拒否ってた母の手づくり飯をはふはふ食ったあたりで、母を受け容れたっつか、容れようとする姿勢なのかな、と思いましたです。あくまでもとりあえず、だけど。
解決はしてないけど、そういう曖昧さは悪くない気がしましたです。
>ツメが甘い
わかる気がします。同じくアニメ詳しくないけど。
ただ、だからダメ、っていうんじゃなくって、惜しい!って感じじゃないですか?
それって、表したい表現にこだわって格闘してるからなのかなーと思うんですよね。
無難にまとまっちゃって、ココが甘い、っていうのがナイ代わりに、ココがイイ!っていうのもなくなっちゃうとつまんないし。
実をいうと大半の邦画は無難におさまろうとしている印象があります。
なんつーかな、最近、世間が何に対しても減点法で、どっか落ち度や瑕瑾があると盛大に責め立てる傾向があるような気がしてるんですね。
なので、それを怖れて無難に縮こまっちゃうような。
その点、アニメは頑張ってるのかな、って気もします。
ツメの甘さが気になんないくらいこだわり極めて欲しいですね。
by シロタ (2010-10-19 14:22)
>頑に拒否ってた母の手づくり飯をはふはふ食ったあたりで、母を受け容れたっつか、容れようとする姿勢なのかな、と思いましたです。
ああ、そういうことですか。じゃあ、灯油かなんかをこぼして涙するところも前向きに捉えたほうがいいのかな。参考になりました。
>惜しい!って感じじゃないですか?
そうなんですよね。惜しいと言えば、惜しいんですよ。明確にマズイところはそんなに無い。
どの映画も、興味深い点はとても多いです。
>表したい表現にこだわって格闘してるからなのかなーと思うんですよね。
まあ「アリエッティ」の場合は、今までジブリがそっちばっかだったから、逆に良い意味で丸くおさめようとしてきた映画かな、と思ってますけど。
>実をいうと大半の邦画は無難におさまろうとしている印象があります。
そこを果敢に挑戦したのが「悪人」「告白」「十三人の刺客」だと思ってます!だから僕はこの三作品はとにかく支持!と言ってますけど(笑)多分プロデューサーの手腕も効いてますね。
まあ、長くなりましたが、そんな感じです。
by タニプロ (2010-10-21 16:35)
たびたびのコメントありがとうです。
灯油こぼしたとこは、もしやまさか火ィついて火事になったりとか、悲惨追い打ち? ってハラハラしました。そんくらい、ヤバさがクるシーンでしたです。
果敢な挑戦、はっちゃけてほしいですね。
「告白」しか観てないけど、確かに無難とは程遠い(笑)。アラもソツもあってツメが甘いけど、攻めてきますね。
by シロタ (2010-10-23 20:36)
全部東宝なんですが、果敢な挑戦する映画を作る余裕があるんでしょうね。
「告白」は、同じく映画作家の人でも厳しく言ってる人が結構いますよ(笑)。「パッチギ!」の井筒和幸監督は「CM出身の人ってこんな四コマ漫画みたいな映画しか作れないの?」みたいに言ってましたし、「映画芸術」発行人で脚本家の荒井晴彦氏にいたっては、「”告白”だからって、告白、というかナレーションでやっちゃダメだろ。どうやったらそれ以外の手法で描けるかを考えるのが映画作家の務めだろ。こんなの我々に対する引退勧告だよ」みたいに怒ってました(笑)
by タニプロ (2010-10-24 00:58)
あーそりゃいろいろ言われんでしょうねーw
四コマ漫画みたいな、ってw どういう文脈かわからないけど、なんとなくわかる(笑)。
画ヅラのインパクトでサクサク持ってくようなつくりはむしろ好きなんですけどね。
「告白」の場合は、そもそも原作が気に入らないって感覚も大きいかもしんないです、個人的には。
by シロタ (2010-10-25 16:49)
関係ないんですが、すごい映画賞があることをTwitterで教えてもらいました!
日本禁煙学会 無煙映画大賞
http://www.nosmoke55.jp/movie/index.html
すごい評価軸!映画は観る人様々ですね。
だとすると、「告白」「カラフル」は若者がテーマでもあるから、喫煙シーンは無かったと思うから合格?そんな細かいことまで覚えてないけど・・・
by タニプロ (2010-10-27 00:19)
うへえ…。
徹底してますねえ。<無煙映画
そんなに言われると、逆にタバコ喫いたくなってきたりして(笑)
もう2年以上喫ってない。エラいわ俺w
by シロタ (2010-10-27 15:26)