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「シュリ」 [映画]

お金かけてるわりにはそこそこな画だし、話は荒唐無稽だし、ツッコミどころ満載。
凄腕のスナイパーがそんな雑な仕事するかよー、とか、
情報部員の身辺調査がそんなに抜けてる訳ないだろうよ、とか、
そんだけ撃ったらいくらなんでも一発くらい当たるだろうよ、とか、
そこでカーアクション必要か? とか、
いくらなんでもそのテロ計画はぶっとび過ぎじゃん、とか、
指摘し始めたらきりがない。

でもね。
役者の熱演はもちろんのこと、製作スタッフの熱意が伝わってくるように思うのです。
ハリウッドがそつなくつくった同じようなドンパチアクションとは何かが違う。
「やってやるぜ!」みたいな気概を感じて、捨て置けない。

本当は、つくり手の姿が垣間見えるのは作品として失格。
熱意も執着も作為もすべて隠しきり、黒子に徹するのが製作者、だと思ってる。
作品は、「産みの苦労」なんてまったく意に介さず、千年前から完成していたかのように、悠然と自由に泳ぐべきなのだ。

その意味では、失格だよね。
泳ぎだした作品を嬉しげに見守るつくり手がありありと目に浮かぶ。

だいたい、わたしはつくり手の存在を誇示するエンドクレジット、ってものが好きじゃない。
特に昨今の長ったらしく、知らん名前がずらーっと流れるやつ。
今の今まで、美麗な映像や美しい物語が展開され、感動のエンディングを迎えたところで、製作の裏側を感じさせるようなものが出てくるってのは、野暮以外のなにものでもないじゃないか。
誰がどんな仕事したのかなんて知ったことかよ。
製作の裏話なんていうのはオモテに出てきちゃいけねェから裏なんだろ。

まあ、でも。
「シュリ」の場合は、なんだか嫌じゃないな。
嫌みじゃない。
つくり手のエゴじゃなくて、本当に作品のために力を尽くしたことがわかるから。
スタッフもキャストも、自分が主役なんじゃなくて、「シュリ」という作品が主役なんだ、ってことを自覚していると思う。

そういうとこは、なんかすがすがしい。





タグ:映画 シュリ
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