SSブログ

「バス男」 [映画]

nd2.jpg

原題は、“Napoleon Dynamite”、主人公の名前。
それがなんで「バス男」。これほどマーケティング戦略があからさまで、しかも失敗してる邦題もないもんだと逆に感心しちまうぜ。
この映画を気に入りそうな人たちは、こんなパッケージを手に取らないだろう。

で、ハナから観る気がなくって放ったらかし。
ところが、「ナチョ・リブレ 覆面の神様」「俺たちフィギュアスケーター」のジャレット・ヘスの監督作だと知って、微妙にヒきながら観てみた。

これ、アリです。
おもしろい。

主人公はのび太で、その兄も叔父ものび太。
友だちものび太とのび子。
ジャイアンとスネ子たちにウザがられ、イタがられつつ、ドラえもんが助けてくれるでもなし。
ねちねち湿っぽい鬱陶しさがまったくないので、悲惨とか可哀想とかって感じはしない。

徹底した突き放し感が妙にハマる。
映画の視点は主人公をバカにする訳ではなく、応援するでもなく、適当な距離をおいて観察している感じ。
その距離感が実に「適当」で絶妙なので、快く、気持ちいい。
個人主義の国だなあ。

結局のび太はのび太のままで、かっこよく見違えたりヒーローに変身したりはしないんだけど、それはそれでいいじゃん、と思える。
誰も彼もが胸はって堂々と生きる訳じゃなくて、猫背で隅っこに居る生き方がハマったりもするんだね。

主人公が青空の下、てけてけ走っていく間抜けな画が妙に印象に残っています。
「しょうがないなあ、のび太くんはー」





コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 2

コメントの受付は締め切りました
楓

『バス男』、たしかうちにもDVDがあったような気がします。とにかく主人公の行動がじれったいやらアホっぽいやら情けないやらだったと思うのですが…。また観てみようかな。
by 楓 (2008-09-09 12:34) 

シロタ

楓さん、どーも。
スコーンと抜けた空に、どーしようもなく間抜けなナポレオンくんがボサーっと佇む様子が、ミョーにツボなんすよ。
いろんな映画があるもんですね。
by シロタ (2008-09-10 08:50) 

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。