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「ピストルオペラ」 [映画]

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山口小夜子がパーフェクトに素晴らしい。

が、映画としてはなんつーかもう、バランスが悪いというか、駄目駄目。
せっかくの幻想映像にところどころ粗が見えてしまって、文字通り幻滅。
ハっとするほど美しい映像があるかと思えば、ハリボテみたいな美術セットや稚拙な照明でヤボヤボだったり。

物語なんかはどーでもいいんだが、「意味ありげ」な台詞には辟易。意味なんかないくせに。
「〜っぽい」とか「〜ありげ」とか、ホントださい。アングラ芝居っぽくて嫌。
樹木希林の舞台風の芝居、特に金魚の語りなんかはすごくいいのに、江角マキコの大根芝居がとんでもなく興醒めだったり。

ファッションもなあ…。
おはしょりをとらず、しかもブーツに合わせた丈の着物の着こなしは格好いいけど、振り袖の着飾り方が成人式止まりでどーしよーもなくて。
どうせなら髪に逆毛を立てまくって簪や櫛やアクセサリーをたらふく仕込み、裾を長々と引きずったネオ花魁スタイルなんてどーだ。
不気味少女のちゃんちゃんこのテキスタイルも、ユザワヤで売ってる和柄布メーター1480円みたいだし。

小物。
ピストルをおもちゃみたいに弄ぶのはいいとしても、その扱いがあまりにも拙い。
トリガーガードに指を引っかけてくるくるの基本動作とか、パーツを分解したり組み立てたり、弾をこめたり、拳銃をねぶねぶする仕草はいくらもあるじゃないですか。願わくば、ルガーか南部14式でたのみます。
ライフルで接近戦なんて馬鹿馬鹿しい真似をするなら、もっと常軌を逸したガンアクションをさせればいいのに。やたらに口の長い急須でお茶を入れる人みたいに、ライフルをくるくる振り回したりしてさ。

音楽。
エゴラッピンはすっごくいい。
けど、ところどころに入る、てんつくてんつくはなんだいったい。音楽と名乗っていいのか。


幻想はあやういものです。
だからこそ、綻びがあってはならないのです。

ところどころは非常に美しく、惜しいので、綻びをばっさり斬って短編に仕立て直したらよろしいんじゃないでしょうか。





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