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「プラダを着た悪魔」 [映画]

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ダサい。
途方もなく、ダサい。

だいたいが、仕事ができるとかキャリア云々の前に、人としてのモラルや職業倫理を外しまくってる。
パワーハラスメントと労災で労働組合から突き上げを食らうだろうし、そんな問題だらけの管理職のどこがカリスマだ。
契約社会のはずのアメリカで、時間外労働の協定も確認しないんすか?
企業としても、部下を私用でこきつかう=マンパワーを横領するし、30万ドルも経費を無駄にするし、まったくオイシイところのない社員。

登場人物が全員おかしい。彼氏のネイトがまあ一番まともなのかなーと思ったけど、比較対象がイカれ過ぎてるからなのかも。

ああ、いかんいかん、これは映画、つくり話で夢物語。
意地悪おばばにいじめられる善良な娘が最後には幸せをつかむという例のアレなんだから、と自分に言い聞かせてもツッコミが止まらない。

・本当におしゃれで内面が美しい人がいきなり初対面の人間を罵りますかねえ?
・仕事の指示がころころ替わるのは無能の証拠。
・ブランドから提供されたサンプル品を私物化するなよ。横領だ横領。
・家賃にも苦労してるはずなのになんでそんなに服買えるんすか?
・広告収入で食ってるはずのファッション誌がなんでそんなにデザイナーに居丈高になれんの?
・フリーランスのライターがなんでそんなにヒマなの?
・発行前の雑誌見本刷り「本」を自宅でチェックって、ゲラを社外に持ち出せること自体がおかし過ぎ。仕事雑過ぎ。
・発行前の原稿、しかも「ハリポタ」があっさり手に入る訳ないだろう。金庫にしまっとくほどの代物だぞ。
・双子は確実にグレる。親としても間違い過ぎ。
・頼むから誰かまともに仕事してくれ。

いかん。話は無視してお洋服に集中しよう。オシャレ映画オシャレ映画。
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・おしゃれ=ハイヒールって、感覚がダサ過ぎる。ペタ靴をおしゃれに着こなす器量はないのか。
・無駄に気合い入り過ぎな力任せのオサレっぷり。いかにも「私はおしゃれですー!」って感じがダサい。
・オンオフの使い分けがまったくできてない。毎日そんなに着飾って仕事する気あんのか。
・シンプルとかシックって言葉を知らないんですか。
・どいつもこいつも同じような系統の服装。
・「マリー・アントワネット」でナイキのスニーカーをチラ見せしたソフィア・コッポラのハイセンスっぷりに神を感じる。
・ドラマ「働きマン」の方がよっぽどおしゃれだった。
・ドラマ「有閑倶楽部」の方が以下同。
・ドラマ「歌姫」以下同。

…お洋服もダメだったよ。

いやしくもタイトルにプラダを冠するなら、モードの世界をナメないでほしい。
着られれば何でもいい、とっかえひっかえ着替えなくたって生活には困らない、そのはずなのに、人々が流行を追って大騒ぎする。
その流行を理屈でなく皮膚で感じてかたちに顕す、くだらなくも真剣な仕事。
移ろいやすいが故に敏感に世相を反映し、身に着けるもの=身体性が強いが故に、感覚的で具体的である。

論理的でないが故に、くだらないと一笑に付すことも簡単だけれど、わたしはモードの世界に興味をもち、そこに身を置く人たちを尊敬する。

だもので、この映画を認めることはできませぬ。
駄目です。


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