SSブログ

「映画 日本国憲法」 [映画]

3e64f216-s.jpgいわゆる護憲な映画。写真は監督のジャン・ユンカーマン氏。

日本国憲法、特に戦争を放棄することを明言した第9条について、社会学者や歴史学者、当時憲法の策定にあたった人物が語るドキュメンタリー。
海外からの視点で語られるのは新鮮で興味深かった。「敗北を抱きしめて」(発行/岩波書店)のジョン・ダワー、言語学者のノーム・チョムスキーらが憲法第9条について肯定的な意見をはっきりと述べている。
とても丁寧に説明されているので、憲法をよく知らない人でもわかりやすいと思う。


ただ、音楽がかなり意図的で少々うっとうしい。もっとアカデミックなつくりを期待していたのだけれど、感情的な印象も感じてしまって、ちょっと食い足りない感もあり。所謂右翼的な考え方の人にはツッコミどころがありそう。


わたし個人として、日本国憲法でもっと注目されてもよいと思うのは次の条項。

「第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」

幸福になる権利が尊重されるというのは、心の奥底にじわりと喜びが灯る思いがする。だが一方で、憲法で保証されていなければ、誰かが幸福になろうとすることを妨げられてしまうおそれもあるということだ。

実際に、第12条ではこのように述べられる。

「第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」

権利は漫然と与えられるものではなく、努力して守らなければならない。こういう感覚がたぶん英語でいうところのLIBERTYであって、自由の重みなのだろう。
誰もが、幸福になることを諦めてはならない。


食い足りないところはいろいろさっぴいても、本気で平和を願い、幸福になるために理不尽とたたかう覚悟を固めている人たちがいる、ということを知るのは快かった。





コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。