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「夜は短し歩けよ乙女」「鴨川ホルモー」 [書籍]

別に狙った訳じゃないんだけど、書店で平積みになってた文庫を2冊ばかり購入してみたらどっちも京都モノだったという。しかも登場人物が大学生ってとこもおんなじ。
テイストは全然まったく違うんだけど、京都の空気つーか気配つーか、土地の風土みたいなんが舞台として活かされてる感じはある。
京都いいなあ。行きたいなあ。

「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦
かわいらしい。小さくて愛らしいものをしみじみと愛でる感じの。
ダルマとかおともだちパンチとか偽電気ブラン(おいしそう)とか「なむなむ」とかりんご飴とか韋駄天コタツとかジュンパイロ(おいしそう)とか、ちまちまころころと散りばめられる人物やら小物の描写が愛い。
で、作者もちまころな愛らしさに照れてて、ときどき照れ隠しに閨房調査団とかヨゴレな要素を加えてみてる感じがして、それがまた愛らしい。しかしパンツ総番長はいただけない。
古本市で目を留める書籍のラインナップ(黒岩涙香!内田百閒!)に“先輩”の人柄を彷彿とさせられてみたり、緋鯉のぬいぐるみを背負って歩いたりする“彼女”の天然ぶりとか、気が利いてるっていうか、調子にのってどんどん趣味の世界に転がりそうなところを抑制を利かせてる。
ほどほどに凝りながらペダンチックにならない文章は、作者の照れと自負があらわれてるのかねー、などと思った。惜しむらくはタイトル。この人のセンスならもっと愛らしいタイトルつけられそうな気がするんだけどな。
ちまころに愛らしい京都の、気楽な読み物。


「鴨川ホルモー」万城目学
電車ん中で読もうとして断念した。吹き出して笑っちゃうんで。
安倍のヘタレ具合とか高村のイタさ具合とかオニの間抜けな生態に笑かされつつ、ついつい読みふけって、読み終わったあとに頭抱えてため息ついてみた。
くだらねえ。
さだまさしとかチョンマゲとか大木凡人とかくだらな要素がやり過ぎめに炸裂。ていうかレナウン娘はさすがにやり過ぎじゃないのか。
とはいえ、楽しんだのは事実。こんなくだらなくって阿呆らしいものをぐいぐい読んじゃう自分に可愛げを覚えつつ、ヘナヘナに力が抜ける脱力具合も含めて楽しんだ訳です。
勝ち負けで言うと負け。糞。
「ホルモー」の底知れないヤバさが、くだらなさに(多少)厚みを加え、陰陽の都、古都京都の伝奇ロマンを感じさせないこともない。
学生ならではの馬鹿馬鹿しさと古都のヤバさの兼ね合いがキモですかね。






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コメント 2

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カンクロー

どーも、はじめまして(?!)笑

ホルモー、おもろいですよねぇ~
映画の方は結局観ずじまいですが・・・

夜は短し・・・も、飴の小梅ちゃんみたいで気になってはいるのですが
まぁ、可愛いものを取り込みたい気分の時まで
(取り込まないとヤバイくらいオバさん化する時まで)
おとりおきな感じです。^^

ではでは、またー☆
by カンクロー (2009-05-20 19:40) 

シロタ

カンクローさん、いらっしゃいまし。

「ホルモー」は、もう、畜生やられたーって感じです。おもしろがった自分が悔しい。笑。
「鹿男…」「プリンセス…」も気になりますが、文庫待ちかなあ。

「夜は短し…」、はいはい、小梅ちゃんパッケージ、林静一のイラストに似てますねえ。文章もお話もとても愛らしかったです。



by シロタ (2009-05-21 12:12) 

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