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「Telecastic fake show」凛として時雨 [音楽]

音楽は時間軸の芸術なんだと思う。そりゃ、空間的な音の広がりとかもあるけれど、時間がなかったら(静止してしまったら)音声は発生し得ない、とか、そういう意味で。

んで、感情というのも時間軸に位置を占めるもんなのではないか、とぼんやり思う。
音楽も感情も、どちらも止め置けない。静止させて精査しようとすると消える。静止状態では存在し得ない。その、止め置けない感じが、なんとも。

音楽は感情的であり、感情は音楽的である。

という訳で、感情的に好ましからざる状態にある場合に、音楽を聴いて落ち着こうとしたり、或いは鬱憤を晴らそうとするってのは、頷けるものがある。
乱れた時間軸を、音楽の時間軸によって調整する、みたいな感じで。


で、“凛として時雨”←バンド名。些かダサいのは狙ってんのか。



シロタ的機能性音楽。
益体もないことを考えてしまい、重暗くなりそうなとき、薄暗い気持ちを吹っ飛ばしたいときに大音量で聴く。

たぶんそんなに複雑な音ではないんだろうけど、重なりが巧みでスカスカな感じがしない。ヴォリュームっていうか塊感で迫ってくる。鈍重なところはいっさいなくってものすごくシャープで怜悧。技術的な精度の高さ。
甲高くキレてるヴォーカルが神経に障る。で、女性ヴォーカルが音外してんのにイラっとする。

決して楽しめるものではない。とりあえずわたしは楽しめない。むしろ不快なんだけど、不快なものが聴きたい。痛気持ちいい感じの破壊力。
体調悪いとき、苦いものとか酸っぱいものが欲しくなったりする感じに似てるかも(笑)。

そういう聴き方をするんなら音楽でなくてもよさそうな、なんかデカい音を鳴らしとけばよさそうな気もするんだけど、そうでもないらしい。

抑制が重要な気がする。
ぶちキレて暴走しているようで、実はものすごく精緻にコントロールされてる感じ。
苦さとか不快さが高純度に精製されて、雑味がないっていうか。


ていうかもっと単純に、さっくりカッコイイって言いたいとこなんだけどねえ(笑)。
どうもそういうんじゃないらしい。






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コメント 2

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shim47

ご無沙汰しております。
「時代の気分」が反映されているように聞こえます。
不惑を大幅に過ぎた今になって、若い頃には横目で見ていたパンクを聴き直してみようかなどと思いつきました。
by shim47 (2009-07-09 20:57) 

シロタ

shim47さん、nice!とコメントありがとうございます。

このテの音楽は皆目理解の外だったんですけど、何故か何度も聴いてしまいます。嫌なんだけど(笑)。

「時代の気分」ていうのは確かに。
そも音楽は、思想とか理念とかでなく、甚だ感覚的で生理的な「気分」と近しいものなのかもしれないですね。

パンクも多分に時代性を感覚的に反映する音なんだと思います。(ただ、個人的には平板でつまんないんですけど。英語に堪能で歌詞がパッと入ってくるとかなり印象が違うのかも。)




by シロタ (2009-07-10 10:18) 

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