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「ぼくらの七日間戦争」 [映画]




1988年公開。がっつりリアルタイムで観た覚えあり。
ごく個人的に、或いは世代的にイタい(笑)。
ケン・ドーンもどきのヘタウマ絵がなつかし過ぎ。肩パッドばっちりのソフトスーツ! ツータックのパンツ! とどめのセーラーカラー! ぎゃーー(笑)!!


当時は原作原理主義だったのであまり感心しなかったんだけど、20年ぶり!に観たら、これはなかなか傑物じゃないですか。よくできてる。
ついでに、いろんなこと思い出しちゃってイタかった。
団塊ジュニア世代にとっては聖典かもしれないですね。


オープニングからもう、既視感に頭がズキズキする。
ぎりぎりで走り込んでくる生徒を閉め出すかのように校門が閉じられる、管理教育の象徴的なシーン。
校門圧死事件を思い出した。ひえー。
教師による弾圧とか異常な校則とか、随分誇張されてはいるものの、かなりリアルに感じられた。
整髪料で寝グセを整えてきた同級生は生活指導の教師にとっつかまって職員トイレで強引に洗髪されてたし、天然パーマとか生まれつき明るい髪色の生徒はいつも戦々恐々だった。
なんかいちいち怒鳴られるし、横柄に呼び捨てにされるし、なんだってあんなに居丈高だったんだろう。
詰め込み教育受験戦争、「服装の乱れは心の乱れ」、丸刈り体罰…。
今にして思うと、けっこう非道いめにあってきたような気がする。
ゆとり教育の前提にはこういう「行き過ぎた管理教育」があったことを忘れない方がいいと思うよ。

で、その非道いめにあってる生徒たちが廃工場にたてこもり、大人たちに自己主張するわけなんだが、涙ぐましいほど純朴でまっすぐポジティブ。
いじけたところがまったくなくて、もうなんか泣けてきます。
子どもたちを容赦なくぶん殴る教師がまた憎たらしいこと。本当に、いったいなんだってそんなに子どもにつらくあたるんすか。
気持ちはすっかり中学生に戻ってしまっている。
ラストシーンは爽快なカタルシス。TM NETWORKの主題歌がまたいいんだ。




その後、この世代はどのように過ごしてきたかというとですね。
バブル景気でちょこっとはしゃいでみたものの、卒業する頃には平成不況で就職氷河期をむかえる。
ようやく職についたものの、ド不況の最中、クソ忙しいわりに年功序列の賃金制度で年長者に持っていかれる。
さてそろそろ給料があがってもよさそうなもんだと思う最近になって、今度は成果主義導入、こいつがクセモノで実は体のいい人件費抑制策だったりする。( これちょっとあんまりだと思う。年功序列賃金て、年くったら額が上がるっていう前提がキモじゃん。)
で、2007年あたりから団塊の世代が大量に定年退職していくんだが、この方々がおっしゃるには「これからは若い人に頑張ってもらって」だそうな。
えーとそれはつまり仕事とか消費とか納税とか納税とか年金納付とか年金納付とか年金納付に頑張れよ、ってことなんでしょうか。
まったく報われません。

「今は我慢して勉強すれば、将来幸せになれる」と煽られに煽られ、せっせと我慢と努力と辛抱を重ねてきた挙げ句にコレだ。いいかげんイイ大人なんで今さらグレる訳にもいかない。
ものすごく割りをくった感を禁じ得ないんだが、言うても詮無きことよ、ああ虚しいなあ。
ていうのが、団塊ジュニアという世代です。

そんなわけで、団塊ジュニア世代理解のための一助としても最適な映画であろうかと(笑)。
たんに馬鹿なガキが騒いでるわーとはき捨てるのは易いんだけれど、このガキどものはかばかしくない未来を思うと妙ににしんみり観ちゃったりするんですこれが。はははは。




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コメント 2

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真優子

はじめまして!
「SEVEN DAYS WAR」に引き寄せられて
来てしまいました。
私もリアルタイムで観ましたね(笑)
シロタさんのコメント、すごく頷けました~
私は、子供の頃に見た記憶しかないのですが
そんなふうに読むこともできるんですねぇ。
勉強になりました!!
by 真優子 (2009-07-26 22:44) 

シロタ

真優子さん、はじめまして。コメントありがとうございます。

同世代なんですね。頷いていただけて光栄です(笑)。
「SEVEN DAYS WAR」よかったですよね〜。
by シロタ (2009-07-27 10:07) 

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