SSブログ

「DON—過去を消された男」 [映画]



インド映画をなめてるつもりはなかったんだけど、こういうシャープで都会的なインド映画を観るといちいちびっくりする。
インド的エスニックな魅力がどうとか抜きにしても、普通にかっこいい。普通にクオリティ高い。
日本でも、もっと気軽に観られるようになればよいのに。


とにかく画がキリっと締まってて、かっこいい。
都会の高層ビル群の、シャープなんだけどほどほどなエッジのキき具合とか、飛行機からびっくりなアクションで逃れた主人公とヒロインが落ち合うシーン、橋のたもとからおさえた構図とか、ときどきハッとして見入ってしまう。
ラスト近く、大胆な空撮を駆使したスケールでかい画とか、お話の緊迫具合と相まってドキドキハラハラ感増幅のかっこよさ。

カットのつなぎとかお話の展開とかは、ある程度セオリーに従っててベタなつくりなんだけど、それはそれで王道娯楽極めてて潔い。
ジャンル的にはシリアスなクライムアクションだっつーのに、歌と踊り、しかもかなり愉快なそれが必ず!お約束ですから!と、盛り込まれてて、なんかもうおそれいりましたって平伏するくらいな王道。

主人公の主人公っぷり、つまりカッコつけっぷりもまた王道娯楽。ビシバシなカメラ目線とか決めポーズとか。
“カッコつけ過ぎるとカッコ悪いかもってナチュラルぶる自意識過剰なカッコつけ”(←クドい)を意に介さない、正々堂々直球勝負のカッコつけなのでした。
(でもどっちかつとわたしは男の子の父ちゃん役の人のが好み。)

悪党が主人公でさんざん悪事をはたらくわりに、残酷描写とか悲惨とかインパクト勝負なエグイ露悪がいっさいなくってとっても上品。だからって緊迫感がナい訳ではない。どれだけヤバい映像かみたいなエグさ勝負に走りがちな昨今、演出を積み重ねて悪党のヤバさを印象づけようとする言わば当たり前な手法がとても誠実に感じられる。えらい。

娯楽とはかくあるべし、って感じ。







タグ:映画 DON
コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

コメント 2

コメントの受付は締め切りました
エンジェル

でしょでしょでしょ!(またかい!)
さすがシロタさん、映像関係チェックはぬかりないですな♪
コレと【たとえ明日が…】の2本を観れば、
シャールクの魅力をタップリ堪能できるのではないかと。^^;

でも知らない人の方が多いんだろうなぁ。
インド映画、もっといっぱい公開されればいいのに。(涙)
by エンジェル (2009-09-16 21:02) 

シロタ

わたしはシャールクよりアクシャイが好きかなー。
なんていう会話がフツーになるとイイなあ(笑)。

お子さんから年配の方まで幅広く楽しめる、間口の広い娯楽だと思うんですけどねえ、インド映画。
もっとメジャーになってほしいですねー。

by シロタ (2009-09-17 09:20) 

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。