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「SING FOR DARFUR」 [映画]



ダルフール紛争のことはおろか、スーダンてアフリカだよね? くらいの無知蒙昧無関心のシロタなのでしたが、そういうヘタレ文明人シロタ向けのオサレな社会問題提起。

といっても、ダルフール紛争についての現状が報告されたり対策のために奔走する人たちが出てきたりする訳ではない。
バルセロナのある一日を切り取った、っていう感じ。
で、その一日っていうのは、ダルフール紛争難民支援のためにU2のチャリティコンサートが行われる日。その影響で渋滞にいらついてみたりチケットを巡ってこざこざしたり、ダルフール紛争について何気なく感想をもらしてみたり、ていう人々の姿が散りばめられてる。

渋滞に苛つくストリートパフォーマーから、彼に話しかける観光客の女性に視点が変わり、それからその女性のカバンをひったくった少年、運び屋少年、ひったくりの元締め…と、ぐるぐる巡っていく。

モノクロのフィルムっぽい(フィルムなのかなあ? フィルムっぽく加工してあんのかなーと思うけど)ざらざら荒い粒子の画ヅラで、車やバイクで移動する人物たちをぐらぐらの手ブレなカメラで目まぐるしく追っかける。臨場感溢れる、ていうのを狙ってんだと思うけど、多用し過ぎかな。酔いそう。モノクロなのはナマナマしい質感を避けたいとかオサレスタイリッシュ感を出したいのかもしんないけど、あんまり。今イチ。スベってる。かも。

たくさんの人が居て、それぞれがそれぞれの生活を送っていて、あまりお互いに関係なく暮らしているようだけれども、実はそこここですれ違ったり巡り巡って影響を与えあったりしているよね、ていうこと。

んで終盤、そんなふうに皆関わりあっているのだぜ、な世界で、タクシーの運転手(インテリで男前。好。)のとこにカメラが落ち着き、冒頭でカバンをひったくられた女性が乗客になってループが繋がる。
女性はチャリティコンサートに行くつもりだったのだけどチケットをひったくられてしまって行けなくなり、だからってんでもないけどそういやダルフール紛争って何よどんなんよ、って調べてみた、なんってこった、ひどいことだ、自分は無知だった、みたいな、いかにもヘタレ文明人な心情を吐露する。みんなそんなもんだよ、知ろうとしてえらいよ、的な運転手。

ていうような、映画作品としては、まあオサレで善良なヘタレ文明人向けの、「関心を持ってね」ていう、押し付けがましくない社会問題提起。
て、意地悪に言ってみたけど、なんにもしない人が、なにかしている人、しようとしている人の偽善っぽさみたいなんを嘲るのは下劣低劣卑劣極まりなく、腐れクズ外道であるよな。

というわけで関心を持ってみた。いろいろ調べて、知って、できることを考えようと思う。

ちなみにこれ、映画である必然はないような気がする。
どちらかというと公式webサイトのつくりのほうがうまくコンセプトを表しているかも。
手形をクリックしてドラッグすると映像が現れてみたり、映画の場面がランダムに再生されたり、メッセージが集まってきてみたり、webのインタラクティブな特性によって、受け身じゃなくって能動的に関わろうとすることを促されたり、繋がるってことをリアルに感じたり、リアルタイムな現状と絡んでいけたりできる。
つまりこれ、作品ではなくて運動なのだな。

エンディングの歌。


ダルフールの子どもの歌に対する、日本でのアンサーソングとして、だそうな。
ゴスペルっぽくて迫力あってすっごくイイと思うんだけど、この映像はちっとなんか痒い。参加している人がどうとかじゃなくって、映像のつくりが善行に酔う偽善っぽいなー、と腐れクズ外道的感想を抱いてしまったのことよ。





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