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「好き好き大好き超愛してる。」舞城王太郎 [書籍]

舞城王太郎って、王城舞太郎とどっちだっけか、って何故か必ずわかんなくなるのだった。笑。

この感じは、ラノベ感を醸し出してるのかなあ。軽くて平易でつるつるすいすい読みやすーい、噛まないで飲み込めちゃう感じの文章。そういうのは意図的にかましてるらしくてやり過ぎないようにセーブされてるっぽい。でも会話のとことかちっと痒い。しかしそれも狙ってるくさい。

セカチュー的恋愛感動モノに対するアンチテーゼ、っていう評をどっかで見かけて、そっかなるほどーと思った。そうすっとタイトルからしてかましてる訳だ。
意図的にかましたイタめ痒めのラノベ文体で、恋愛という気持ちの為すところを大真面目に書かれる仕掛け。なのかな。
誰かを恋しいと思う気持ちについて、その気持ちがどういう性質のものなのかどこから現れるのか、とか、相手の為を思うことは自分の為だったりすること、とか、相手の為につらくて悲しくて苦しい思いをするのにそのことを幸せに感じたりする、とか。

なので、胸にきゅーんてクる。
なんか仕掛けが先行し過ぎてる気もしなくもないし、もっと落ち着いた文体でやってくれてもいいと思ったけど、いい意味でナメてかかれる可愛さというか取るに足りなさみたいなものがキいてくるにはこの文体でいいのかもしんない。


「みんな元気。」ていうのも読んだ。
擬音語擬態語とか会話文のセンスがいかがなものか、と思ったけど、許せる。
後半、主人公が杉山家に訪れたくだり、自分の将来の選択肢が重なりまくって認識するところが、すんごいおもしろい。
ちょっとジョナサン・キャロルみたいな感じもした。




 


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タニプロ

そういえばこの作者、別の原案作品かなんかが相武紗季ちゃん主演で映画になるんでしたっけ?
by タニプロ (2009-12-08 20:18) 

シロタ


タニプロさん、毎度。
コメントありがとう。

映画化ですか。知らんかった。
調べてみたら、「NECK」ていう書き下ろし作品らしいですね。


by シロタ (2009-12-09 10:10) 

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