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「アバター」 [映画]


「アバター」公式サイト

観た観た。観ましたぞー。←珍しく流行モノをおさえたので得意になってみた。笑。

せっかくなので3D上映で観ました。ぼんぼん飛び出したりぐいぐい奥行きだったり、観るっていうより体感する感じ。慣れないもんで結構疲れました。ちょっとムスカ(目が、目がぁ〜)。

お話はざっくりしたベタな展開で、3D映像とか目新しい仕掛けがあるんでお話は敢えてわかりやすーく王道お楽しみ路線てことなのかな。
今どき明からさま過ぎにエグい植民地主義な企業(国家じゃなくって企業ってとこが現代的なんかね)ていうわかりやすく悪い奴が、わかりやすく惑星資源狙いで、わかりやすく先住民にヒドいことをする。で、土地に根ざした精神性の高い文化を有する、これまたわかりやすく良い先住民が、誇り高くわかりやすく戦うのだぜ、ていう。

そこに、知覚を別の身体にうつすアバターていう仕掛けが絡む。主人公がアバターボディを通して惑星パンドラの世界に入る感覚と、観客が3Dメガネをかけて映画世界に入る感覚を繋ぐ感じなのかな。
映画のキャッチコピーが「観るのではない。そこにいるのだ」。
まさしくそーいうことなんだろうな。

ファンタジーな現地生物に襲われて逃げてみたり戦ってみたり、乗っけてもらって飛んでみたり、また、ザコな兵隊やめっさ好戦的な悪い大佐と戦ってみたり、っていうのは、ゲーム的な感覚なのかなあ? 普段まったくゲームに親しまないんでわかんないんだけど。
アバターていう仕掛けで入り込む感覚と相まって一層ゲーム的。

でもって、なんか見覚えある感じもしつつ。
パンドラの森ん中は「もののけ姫」の森みたいで、乙事主さまみたいなんも出てくるし、空中に浮かぶ島は「天空の城ラピュタ」みたいだし、空軍機に群がってアタックする森の生きもの達は「風の谷のナウシカ」で腐海を守る虫みたいだし。とってもはっきり宮崎駿。

と思ったら、言及されてる方が結構居ますね。yahoo!映画のヒノキオさんのレビューが大変お役立ちです。
「宮崎アニメ×押井アニメが夢の融合!そして」
そっか、「攻殻機動隊」(いつか観ようと思いつつまだ観てないのよなー)ですか! なるほどー。


結構おもしろがれたけど、映画を観た、って感じじゃないかも。
遊園地のアトラクションみたいな。
そういう、アトラクションとかゲームっぽいのはあんま得意じゃないし、どっちかつーと「ミツバチのささやき」の一点透視図法的に奥手から迫ってくる機関車の迫力とか、「宇宙戦争」の墜落飛行機の残骸が成すスケール感とか空間の立体感とか、「四川のうた」の触覚感を刺激される質感の画ヅラのほうが、映画的には快。今んとこは。
将来的にはわかんないなー。意外とハマったりすんのかもね。


それにしても、いよいよ気になるのは、「マトリックス」とか「ニューロマンサー」な世界観、唯脳的な世界への没入がますます強まってきたのかなー、と。

ジョージ・アレック・エフィンジャーの「重力が衰えるとき」(カッコいいタイトルだ!)ていう小説で、頭部に外科手術で据え付けてあるソケットに疑似人格モジュールや語学カセットみたいなんを挿し込んでメモリを読み込むっていう設定を思い出したりした。確か、お互いのソケットを接続して話し合ったりするような場面もあったかな。ひろき真冬の表紙イラスト、頭部ソケットにモジュール挿す女性が印象的。

ウィリアム・ギブスンの「ニューロマンサー」ていう小説で、電脳空間にアクセスして没入する場面(「マトリックス」で首の後ろに端子を挿す場面のイメージにそっくり)があるんだけど、その没入することを“ジャックイン”ていう。

ジェイク・サリーがアバターボディにジャックインしてパンドラを知覚する感覚。
観客が3Dメガネを用いて映画世界にジャックインして冒険を体感する感覚。

そのジャックインする空間の規模や強度、リアル度、ジャックイン具合の深さ、強さとかとかに興味がありましたのです。立体映像による、映画世界の構築っぷり、体感の強さ深さの実感がどんなもんなのかなーってことも含め。

で、翻って、我々が生活する上で、ネット社会やゲームや携帯端末でのコミュニティ空間へ、日常的にジャックインしてる訳ですよね。
頭部に直接接続こそないものの、Wiiとかもゲーム世界への没入な感じがして、CMとか見るたびに奇妙な感じがする。どうして君らは家族で集まってモニタ ガン見で卓球とかゴルフをやってんのだ? フツーに出かけてスポーツすりゃいいじゃないか、天気もよさそうだし年寄りも元気そうだし。
PSPも、端末を介したゲーム世界でのコミュニケーション。携帯ゲームも然り、ネトゲはさらなり。

「アバター」の表す映画世界は、そういう日常的なジャックインの未来を先取りするような、また影響するような世界観だったりすんのかなー、などと思っていたりしたのですが、まだちょっとわかんない感じです。
視界を全部覆うゴーグルスクリーンとか、触覚や嗅覚までカバーする端末を装着する体感映像なんかだったら、それこそ別世界へどっぷりで、ジェイクみたいに人間知覚とアバター知覚と混乱するくらいになっちゃうかもしんないですね。
それこそ端末と脳が直結したら、もう即「アバター」。


まあどっちかつーと冒険活劇なんだろうし、細かいとこなのかなーとは思いつつも。
ラストシーン、(一応ネタバレ防止反転)→アバターボディに恒久的にうつって人間ボディには帰ってこない、ていう場面にどうしようもなく違和感を感じてしまったことなんですよー。





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コメント 5

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タニプロ

2009年はアバターに限らず宮崎駿監督作品への愛を感じさせる映画が他にもあって、まあなんていうかどこまで偉大なんですか宮崎駿先生!と思いました。

タニプロ、はやお、すきー!(ポニョ風に)

っていうか僕も酷い眼精疲労に陥り、且つ3Dグラスがあわなくて集中して観れませんでした・・・映画の出来が悪いんじゃなくて色んな意味で現れるのが早過ぎた映画だと思いました。
by タニプロ (2010-01-04 01:56) 

shim47

 今年もよろしくお願いいたします。
ジェームス・キャメロンの映画というのはどれも『強く逞しい女性が激烈な戦いを勝ち抜く!』というのがモチーフになっているように思うのですがこの映画もそうなのでしょうか?評論家の町山智宏氏によれば本人自身の女性の嗜好なり私生活もまさにそんな感じらしいのですが。下世話でスミマセン。
by shim47 (2010-01-04 02:56) 

シロタ


>タニプロさん
毎度お越しやすー。
そういや、エイワの精霊とかいうふわふわ浮いてるクラゲみたいなんは「ポニョ」みたいだったりしましたね。
ていうかもっとSFしてるかと思ってたんで、結構ファンタジーな描写が意外でした。



>shim47さん
こちらこそ、本年もよろしくお願い申し上げます。

>『強く逞しい女性が激烈な戦いを

(笑)。言われてみればそうかも。
惑星先住民の娘がばりばり戦ってましたよ。
本人の趣味嗜好って、出ちゃうもんなんでしょうねー。

by シロタ (2010-01-05 10:45) 

まなてぃ

どもども。。こちらにもコメントしちゃおう。
(私のブログのアバターに、nice&ご訪問、どうもありがとう。)

こんなにパクパク!とパクリまくって大丈夫か?アバター(◎◎)
と、鑑賞当初は思いましたが、(笑)
それでも単純明快な物語にぐいぐい引き込まれてしまいましたね。

こういう豪快で白黒はっきりした作品は、難しいことをいわずに、
もう思いっきり愉しんだもん勝ち!ですね。

by まなてぃ (2010-01-20 21:39) 

シロタ


>まなてぃさん
たびたびのnice!とコメントありがとうございます。

大味と言ってしまえばそれまでなんですけど、小難しいこと考えずにハマりこめればアリです。
そうそう確かに愉しんだもん勝ち!ですね。


by シロタ (2010-01-21 11:35) 

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