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「鉄コン筋クリート」 [映画]

年末年始、TOKYO MX TVの映画セレクトは「鉄コン…」他に「人間の証明」「小さな恋のメロディ」「犬神家の一族」「バベル」などなど、なんかシブいつーか粋なラインナップで、もりもり録画して堪能しておるわけなのでした。




街の描写がえらいこと凝ってて、すっかり見惚れましたですよ。
細部まで描きこまれた濃密な描写。ディテール。
あんまり細かい描写って、ミニアチュールみたいなこぢんまり感と言うか、特にこういう猥雑な街並みの描写ってせせこましくなりがちなんじゃないかと思うんだけど、そういう、小さく収まってる感は皆無。
路地裏の下町風景だけでなく、港湾に面した工業地帯や寂れた廃墟廃屋、あるいは現代的な都会の喧騒、と、印象的な風景がいくつもあって、また、その風景が提示されるリズムが巧みな感じ。街の活力・生命力を感じられるような。
お話の場面場面に噛んだ風景であるのはもちろんのこと、場面や風景が切り替わるたびに新鮮な感慨があって、観てて飽きない。どんどん街に入り込める。
また、人物の超人的な跳躍に伴って、大胆な俯角にアングルが巡り、疾走感も加わって、街のダイナミズムというか、生きた街がどどんと眼前に迫ってくる感じ。

お話としては、あんまし好きではなかったです。なんかこう、もにょる。
誰かを守ってるつもりでいて、その実、守られてる。誰かのために行動することが自分のための喜びとか生きる希望に繋がってる。っていうのは、わかるんだけど、クロシロの“二人でひとり”みたいなあり方が共依存キワキワに思えて、否定したくなる。
後半のクロが、ダークサイドに堕ちるか否かの葛藤、みたいなんもあんまし感心せず。なんか古臭い。
画ヅラとか描かれっぷりはイイんだけど。

ただ、エネルギーに満ちた大盛りメガ盛りギガ盛りな街の情景と、常に死亡フラグ立ちまくってるようなヤバさ加減がすっっっっっごく合ってて、そういうイカレた感じにはveryべらぼうに痺れた。
なもので、妙にセンチメンタルにしんみりされると、なんだかなあ、って困ったりもして。






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